生活不活発病とは?高齢でなくても起こる病気の予防法と対策はこれ!

生活不活発病ってご存知ですか?医学的には廃用症候群といいます。安静状態や体を動かさない状態が長く続くことにより、心身の機能が低下する症状のことです。

生活不活発病は地震等の災害のときに、特に高齢者に起こりやすいことがわかっていますが、実は誰でも何歳でもなる可能性がある病気なのです。NHKあさイチでも生活不活発病をとりあげていました。
災害がなくても起こる、生活不活発病とは何か、その予防法・対策等をまとめてみました。

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生活不活発病とは?

 
東日本大震災等の地震や九州北部豪雨等の水害等の災害のときは、被災者が生活不活発病になりやすいことがわかっています。避難所や仮設住宅で特にやることもなく寝てばかりいたりすると、特に高齢者や障害のある人に発症しやすいです。また仮設住宅でなく在宅の人にも同様な傾向がみられています。

但し、生活不活発病は災害時ばかりとは限りません。誰でも何歳でもなる可能性があるのです。

そもそも生活不活発病とはなんでしょうか? 

医学的には廃用症候群といいます。生活不活発病は大川弥生先生((独)産業技術総合研究所 知能システム研究部門 招聘研究員)が提唱した病名で、文字通り「生活が不活発になる」ことで全身の機能が低下する病気です。病気が進行すると要介護状態になったり、寝たきりになってしまうこともあります。

単に「運動不足により体がなまっている状態」などではなく、れっきとした病気で、その症状は全身に及びます。身体だけではなく、精神にまで影響する病気です。

I.全身に影響するもの

1.心肺機能低下
2.起立性低血圧
3.消化器機能低下
  a.食欲不振
  b.便秘
4.尿量の増加
  →血液量の減少(脱水)

Ⅱ.体の一部に起こるもの

1.関節拘縮
2.廃用性筋萎縮・筋力低下
3.廃用性骨萎縮
4.皮膚萎縮(短縮)
5.褥瘡(床ずれ)
6.静脈血栓症
  →肺塞栓症

Ⅲ.精神や神経の働きに起こるもの

1.うつ状態
2.知的活動低下
3.周囲への無関心
4.自律神経不安定
5.姿勢・運動
  調節機能低下

生活不活発病に気をつけようより引用)

<参考図書> (大川先生の著書です)


「動かない」と人は病む――生活不活発病とは何か (講談社現代新書) | 大川 弥生 |本 | 通販 | Amazon

生活不活発病チェックリスト

自分や周囲の人がもし「生活不活発病かも?」と思ったら、一般の高齢者向けに大川先生作成の生活不活発病のチェックリストを使ってみてください。
もし赤い□にチェックが入った場合には、生活不活発病の可能性があるので注意してください。

チェックリスト

なお、参考までに地震にあわれた方向けのチェックリストはこちらです。

チェックリスト
チェックリストの説明

生活不活発病 予防法・対策は?

生活不活発病にならないための予防法と、もし生活不活発病が起こったときの対策についてまとめました。

生活不活発病には悪循環がある

病気は何でも予防が大切ですが、生活不活発病についても特に予防が重要です。

それは、[何らかの原因で動きにくい] →[動かない]→[生活不活発病が起こる]→[そのためますます動かなくなる] という”悪循環“が起こるからです。生活不活発病を放置しておけば、どんどん進んでいってしまいます。

悪循環が起こるので、生活不活発病を初期のうちに発見し、それ以上の病気の進行を予防し心身を回復させることが重要です。

生活が不活発になる(動かない(動けない))理由

災害後に生活が不活発になる理由は、「環境の悪化」や「することがない」、「遠慮」などです。

災害がなくても生活不活発病は起こり、その原因、きっかけはさまざまです。

あさイチの番組の例では、

「5年前 夫の脳卒中で外出が減る」 →「4年前 息子が海外赴任し、息子を家を訪ねがてら上京して美術館巡りをするという楽しみがぐっと減ってしまった」 →「台所に立つのがつらい、買物が重くて大変、歩くのが遅くなった、疲れやすくなった」 →「1~2年前 大好きだった料理をしなくなる」

という流れで病気が進行していました。

生活不活発病 現状把握

対象者へのインタビュー

あさイチの例のように親が家事をあまりしなくなったというのは、生活不活発病のサインです。その兆候をみのがさず、早めに対処しましょう。そのために対象者(あさイチの場合は母親)にインタビューしましょう。

★1日の様子を聞く (親に聞くときの注意点)

正面から「最近しなくなったことある?」と聞いても、親はこどもに心配をかけまいとしたりして否定しがちです。具体的に1日の過ごし方を順に聞くのがおすすめです。

何時に起きるの? 朝食は何時? それから何をするの?昼食は何時? 午後は何をするの? 買物は?夕食のしたくは何時? 夕食の時間は? 入浴は? テレビは何を見る? 寝るのは何時? などです。

このときその女性は「夫と散歩」と答えていましたが、最近いつしたのか、頻度などを詳しく聞くと、実際にはほとんど散歩していないこともわかりました。

このインタビューでどれだけ以前と違ってきたのかを把握しましょう。

★自分へのインタビュー

もし自分が生活不活発病かも? と思ったら、1日や1週間、1か月の行動を書きだして、以前より減った活動を考え、把握してみましょう。

生活不活発病チェックリストの活用

上であげたチェックリストにチェックを入れて、どのくらい赤のがあるかどうか把握しましょう。赤のの数が多いほど緊急度が高いです。

生活不活発病 予防法・対策

生活不活発病は予防できるし、一旦起こっても回復させることができるものです。
 予防と回復の上でのポイントは、生活が不活発になって起こるものなのですから、その逆に「1日の生活(全体)を活発化する」ことです。
 一日の暮らし方全体が大事なのです。体操や運動をするだけでは十分でありません。そもそも特定の時間だけに限られた対応では不十分なのです。
 また「とにかくなるべく動くように」という、ご本人の努力だけにまかせるものでもありません。周りも一緒に工夫や支援が必要です。

生活不活発病に気をつけようより引用)

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厚生労働省のパンフレットでは、「予防のポイント」は次のようになっています。

○ 毎日の生活の中で活発に動くようにしましょう。
○ 家庭・地域・社会で、楽しみや役割をもちましょう。
(遠慮せずに、気分転換を兼ねて散歩やスポーツや趣味も)
○ 歩きにくくなっても、杖や伝い歩きなどの工夫を。
(すぐに車いすを使うのではなく)
○ 身の回りのことや家事などがやりにくくなったら、
早めに相談を。
(練習や工夫で上手になります。「仕方ない」と思わずに)
○ 「無理は禁物」 「安静第一」と思いこまないで。
(疲れ易い時は、少しずつ回数多く。
病気の時は、どの程度動いてよいか相談を。)
※ 以上のことに、ご家族や周囲の方も一緒に工夫を。

年だから、病気があるからといって安静にし過ぎず、活動することが大切です。本人まかせではなく周りの人にも協力してもらって、本人が「楽しくやりがいをもって」続けられる活動をするのが大切です。

あさイチでは

あさイチでは、「器が好きだったことに着目、その興味を通じて料理の楽しみを思い出してもらう」「花が好きなので、同じように花に興味を持ち始めた孫との会話などを通じて庭仕事を充実」「孫がらみのイベント(運動会等)に積極的にさそう」といった作戦を実行していました。

また家の中の工夫としては、キッチン、テーブル、床になるべくモノを置かないようする(「置かない・敷かない・積み上げない」)。
ゴールデンゾーン(目線の高さから腰の位置まで)だけを使う。といったことが提案されていました。

歩行補助具の活用

T字杖で歩きにくくなったからといってすぐ車いすを使うのではなく、歩行補助具を上手に使うことも大切です。つえはT字杖だけではありません。

T字杖 (杖はこれだけではありません)

 
四点杖 (安定がよく、手を放しても立っている。T字杖よりは多少重い。)

 
ウォーカーケイン (非常に安定がよく、多少もたれても大丈夫)


ウォーカーケイン
 
シルバーカー(荷物を運んだり、腰掛けて休める。施設内でも使える)

まとめ

生活不活発病は災害後だけでなく、誰にでも起こりうる病気です。生活不活発病には悪循環があるので早期発見と進行予防が大切です。初期のうちに発見して対処すれば活発な生活に戻すことができます。

生活不活発病は自分の心がけだけではよくなりません。周囲の人も協力して予防・対策につとめましょう。
何歳になっても楽しいことに取り組み、毎日が「活発」な生活を送りたいですね。

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