インフルエンザ流行の前に、インフルエンザに罹らないために予防はどうすればよいか確認しておきましょう。
インフルエンザの予防接種などのほかに、日常的なインフルエンザ予防方法は、「手洗い、うがい、マスクをする」と言われています。
この記事では感染経路からみたインフルエンザ予防のための手洗い方法や、手洗いのタイミングなどについてまとめてみました。ぜひ正しい手洗いをして、インフルエンザ予防をしましょう。
インフルエンザ予防のための手洗いの方法
インフルエンザ 感染経路
インフルエンザウイルスの主な感染経路は、飛沫感染です。接触感染もあります。また空気感染も否定できません。
手洗いは接触感染予防のために有効です。
★飛沫感染
感染者のくしゃみ、咳、つばなどの飛沫(ひまつ)と共に放出されたウイルスを、のどや鼻から吸い込むことによって感染することです。
★接触感染
飛沫に汚染された物などに触れることによってウイルスが付着した手を介する感染です。感染者のくしゃみや咳による飛沫が物についたり、感染者がくしゃみや咳を手で押さえ、その手を洗わずに周りの物に触れると、ウイルスが付きます。
別の人が手でその物に触れるとウイルスが付き、手に付いたウイルスを目や鼻、口などに無意識にもっていくと、粘膜からウイルスが侵入します。
インフルエンザウイルスは乾燥した環境を好むので、その中では長時間生きつづけられます。感染者が触った電車やバスのつり革や、ドアノブ、共有パソコン、スイッチ、電話、食器などにウイルスが付着して、後からそれを触った人に感染が起こることがあり得ます。
★空気感染
飛沫核感染とも言われます。飛沫核とは飛沫から水分の抜けた、ごく細かい粒子のことです。この飛沫核が長い間空中に浮遊して、その空間にいる人がウイルスを吸入することによって起こる感染です。麻疹等に比べるとインフルエンザの空気感染の可能性は弱いのですが、否定はできません。
インフルエンザの主な予防方法
インフルエンザの主な予防方法は次のようになります。
(→インフルエンザQ&A)
1) 流行前のワクチン接種
2) 飛沫感染対策として、咳エチケットを心掛ける
3) 外出後の手洗い等
流水・石鹸による手洗いは、手などについたインフルエンザウイルスを物理的に除去するために有効な方法です。手洗いはインフルエンザに限らず接触感染を感染経路とする感染症対策の基本です。流水・石鹸だけでなく、インフルエンザウイルスはアルコールによる消毒でも効果が高いので、アルコール製剤による手指衛生も効果があります。
4) 適度な湿度の保持
5) 十分な休養とバランスのとれた栄養摂取
6) 人混みや繁華街への外出を控える
※ 手洗いは接触感染の予防に効果がありますので、次に手洗いの方法についてまとめてみます。
インフルエンザ予防 手洗い方法
手洗いは手についたインフルエンザウイルスを物理的に除去する方法として有効です。
でも手洗いをいつもきちんとしていますか? 流水でちょっと洗う(ぬらす)だけとか、石鹸を使っても丁寧に洗わず、洗浄時間10秒以内ですませていませんか?
こういう方法ではインフルエンザ感染予防のためには不十分です。正しい方法で手を洗う必要があります。
★正しい手洗い方法
1. 爪は短く切っておく。時計、指輪などを外し、流水で手を洗う。
2. 石けんをつけて泡立てる。
3. 手のひらをよくこする。手の甲をのばすようにこする。指の間をこすりあわせ、泡を立てて洗う。
4. 親指は反対の手でねじるようにつけねまでねじり洗いする。
5. 指先・爪の間は手のひらでこする。
6. 手首は反対の手でねじるように忘れずに洗う。
7. 流水で石けんを十分に洗い流す。
8. 清潔なタオルやペーパータオルで水分をしっかりと拭いて乾かす。
※こちらの動画が参考になります →インフル・ニュース
上記のように正しくしっかり手を洗うとそれなりの時間がかかります。30秒かけて洗うのがよいとされています。ハッピーバースデーを2回分歌う時間だそうです。
◆アルコール消毒も
インフルエンザウイルス粒子のいちばん外側のエンベロープという膜は、脂質性のため、エタノールなどのアルコールによって簡単に壊されます。このようにインフルエンザウイルスはアルコールに弱いため、アルコール消毒が有効です。
手洗いの後、アルコール製剤を使用するとよいでしょう。ただふきかけるのではなく、よくすりこむことが大切です。
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インフルエンザ 手洗いのタイミング
インフルエンザ予防に限らず、日常的な感染予防としても、いつ手を洗えば有効でしょうか? 手洗いのタイミングについてまとめました。
●帰宅時
●咳やくしゃみの後
●トイレの使用後
●食品を取り扱う時(調理など)
●食事の前
●おむつ交換後
●血液等の体液、汚物などを扱う作業をした後(看護、介護など)
●手袋を外した後
●傷口に触れる前後
◆(参考)WHO(世界保健機構)が示すインフルエンザ予防のための手洗いすべきとき
●手袋を外した後
●患者との接触の前後
●感染性物質に汚染された表面に触れた後
●血液や体液に触れた後
●サンプルを採取した後
●患者の血圧や脈拍の測定の後
●トイレを使用した後
●クシャミや鼻をぬぐった後
●調理や食事の前
●隔離部屋を離れる場合
(Prevention and Control of Influenza due to Avian Influenza Virus A (H5N1))(2005.3.30改訂)
上にあげたタイミングのうち、もし手洗いしていない時があれば参考にしてくださいね。
特に「咳やくしゃみの後」、「鼻をぬぐった後」などは手洗いしていない人が多いかもしれませんのでご注意ください。
まとめ
インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染ですが、接触感染もあります。接触感染を防ぐには手洗いが有効です。
ただ洗えばよいというものではなく、時間をかけて正しい方法で洗いましょう。アルコール消毒も有効なので、インフルエンザ流行時などには積極的に使ってくださいね。
手洗いでしっかり予防して、インフルエンザに罹らないといいですね。