インフルエンザの予防には「手洗い、うがい、マスク着用」が有効と言われています。でもマスクの着用は本当に効果があるのでしょうか?
インフルエンザ予防のため、マスクが効果があるのかないのか、厚生労働省の見解とマスクの種類などを調べてみました。参考にしてください。
インフルエンザにマスクは効果あり? 効果なし?
インフルエンザウイルスの大きさは約0.1μm(ミクロン)です。とても小さいのでマスクのスキマなんか簡単に通ってしまい、インフルエンザ感染予防に効果ない、という声もききます。本当でしょうか? マスクは全く役に立たないのでしょうか?
結論からいうと、不織布製マスクの着用はインフルエンザ感染予防に効果があります。
この点について厚生労働省の見解を調べてみました。
インフルエンザ マスクの効果 厚生労働省の見解は?
★厚生労働省のインフルエンザQ&A
によると、
「Q.9: インフルエンザにかからないためにはどうすればよいですか?
2) 飛沫感染対策としての咳エチケット」において、
「飛沫感染対策ではマスクは重要ですが、感染者がマスクをする方が、感染を抑える効果は高いと言われています。」 と書いてあります。
つまり、非感染者がマスクをするよりも、感染者が咳やくしゃみによる飛沫感染を防ぐために自らマスクをする方が、感染予防に効果があるということです。
★新型インフルエンザ流行時の日常生活におけるマスク使用の考え方、
では
「1. 症状のある人が、咳・くしゃみによる飛沫の飛散を防ぐために不織布(ふしょくふ)製マスクを積極的に着用することが推奨される(咳エチケット)。」
と記され、ここでも感染者がマスクを着用することは効果があるとしています。
※こちらの動画が参考になります
一方、感染していない人のマスク着用については次のようになっています。
「2. 不織布製マスクのフィルターに環境中のウイルスを含んだ飛沫がある程度は捕捉されるが、感染していない健康な人が、不織布製マスクを着用す
ることで飛沫を完全に吸い込まないようにすることは出来ない。よって、咳や発熱等の症状のある人に近寄らない(2メートル以内に近づかない)、流行時には人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つ、といった感染予防策を優先して実施することが推奨される。」
つまり、感染していない人は感染者に近寄らない(2メートル以内に近づかない)などの行動の方が、不織布製マスクの着用よりは重要だが、マスク着用により環境中のウイルスを含んだ飛沫がある程度は捕捉されるとも言っています。
つまり非感染者のマスク着用にも一定の効果を認めています。
でも次のように書かれています。、
「Q16.必ずマスクを着用する必要がありますか。
マスクは、咳やくしゃみによる飛沫及びそれらに含まれるウイルス等病原体の飛散を防ぐ効果が高いとされています。咳やくしゃみ等の症状のある人は積極的にマスクをつけましょう。
一方で、予防用にマスクを着用するのは、混み合った場所、特に屋内や乗り物など換気が不十分な場所では一つの感染予防策と考えられますが、屋外などでは、相当混み合っていない限り着用する効果はあまり認められていません。
咳や発熱などの症状のある人に近づかない、人混みの多い場所に行かない、手指を清潔に保つといった感染予防策を優先して行いましょう。」
飛沫感染防止以外のマスク着用の効果
不織布製マスク着用は、飛沫感染防止以外にも次の効果があります。
●接触感染防止
ウイルスが付いたドアノブ、つり革、その他の物に触ると、ウイルスが手に付着し、その手で口や鼻に触るとそこからウイルスが侵入します。マスクをして口や鼻を覆っておけば、このような接触感染が防げます。
●喉の保湿
インフルエンザウイルスは低湿度(乾燥)を好みます。マスクをすれば高湿度が保たれ、感染予防に一定の効果があります。
マスクの効果について まとめ
不織布製マスクの着用はインフルエンザ感染予防に効果があります。
●感染者のマスク着用による飛沫感染防止 (内から外へ)
●非感染者のマスク着用による飛沫感染防止 (外から内へ)
●接触感染防止
●喉の保湿
インフルエンザ マスクの種類
★不織布製マスク
厚生労働省では不織布製マスク着用を推奨しています。薬局やコンビニで買えるもので大丈夫です。サージカルマスクも不織布製マスクです。
不織布製マスクのフィルターは飛沫(直径5μm以上)を捕捉できます。
★N95マスク
N95マスクのフィルターは粒子径0.3μmの粒子を95%以上捕集できます。
N95マスクは主として医療従事者が使用するもので、長時間着用していると息苦しくなるほどです。またサイズ確認のため、フィットテストが必要になります。値段が高いです。
一般の人向けには、厚生労働省ではN95マスクを推奨していません。
【参考】
「Q17.N95マスクの性能がよいと聞いたのですが。
N95マスクを使用する際にはとフィットテストなどの事前準備が必要であり、一般の方の使用にはむいていませんので、厚生労働省は推奨していません。」
※なおガーゼマスク(織布マスク)はインフルエンザ予防には推奨されていません。
まとめ
インフルエンザの感染予防には、不織布製マスクの着用が効果があります。
飛沫感染予防のために感染者がマスク着用するのが一番効果がありますが、非感染者がマスクをするのも一定の効果はあります。
インフルエンザに感染したら外出しないのが一番ですが、どうしても外出が必要な場合には、必ずマスクを着用しましょう。
インフルエンザ流行時には、感染していない人もなるべくマスクをして予防するといいですね。
※不織布製マスクの使い方については、こちらの記事をお読みください。
不織布マスクの使い方、正しい付け方と外し方をご紹介!インフルエンザ予防に必須!