冬になるとノロウイルスによる感染性胃腸炎が流行します。特に保育園や高齢者施設などの集団発生すると大変です。

お子さんがノロウイルスにもし感染してしまったら、看病も大切ですが、他の家族に感染させないようにしなければなりませんね。

ノロウイルスの予防対策、特に消毒の方法や調理するときの注意など、家庭で行うノロウイルスの対策についてまとめてみました。

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ノロウイルスの予防対策は何をすればよいか?

ウイルスが原因の感染性胃腸炎は冬に多いです。冬の前半はノロウイルスによる胃腸炎が多く、冬の後半はロタウイルスによる胃腸炎が多くなります。

ノロウイルスの予防対策の前にまず敵を知りましょう。
そもそもノロウイルスとは何でしょう?

ノロウイルスとは? その特徴

ノロウイルス(Norovirus)は、非細菌性急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一属です。エンベロープ(脂質からなる二重膜)を持たず、ウイルス粒子は直径 30-38nmの正二十面体であり、ウイルスの中では小さい部類に属します。ウイルス粒子が小さいため、除去が難しいです。ヒトの腸管内のみで増殖します。

ノロウイルスによる胃腸炎の流行の時期は?

ノロウイルスは主に11月から3月にかけて胃腸炎を起こします。

ノロウイルスの潜伏期は?

ノロウイルスの潜伏期は1日から3日です。

ノロウイルスの症状

吐気・嘔吐や下痢、腹痛などです。発熱は軽度です。多くの場合、1日から2日で改善します。幼児や高齢者などでは重症化することもあります。

ノロウイルスの感染性

感染力が強い

ノロウイルスは感染力が強く、10個~100個程度で感染・発病します。

ウイルス粒子はどこに排泄される?

糞便やおう吐物の中に大量にノロウイルス粒子が排泄されます。

感染しても症状が出ない場合がある

感染しても症状が出ない場合(不顕性感染)があります。不顕性感染でも糞便中にウイルス粒子が排出されるので、注意が必要です。

感染性が長期間持続

ノロウイルスは環境中で感染性を長期間維持し、なかなか不活化されません。

ノロウイルスの感染経路

ノロウイルスの感染経路ほとんどが経口感染です。

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人からの感染

患者の便やおう吐物(ノロウイルスが含まれています)から人の手などを介して感染する場合や、おう吐物等の飛沫から感染する場合があります。
手すり、ドアノブなどからの二次汚染もあります。

人から食品、そして食品から人への感染

ノロウイルスに感染した食品取扱者(食品の製造担当者、飲食店の調理従事者や家庭で調理する人など)の手を介してウイルスが食品につき、それを食べて感染することがあります。

食品からの感染

ウイルスの蓄積した、加熱不十分な二枚貝などを食べた場合など。(例:カキを生または加熱不十分で食べた場合など)

井戸水等からの感染

ロウイルスに汚染された井戸水や簡易水道を消毒不十分で摂取した場合

※(参考)こちらの動画を参考にしてください。→ノロウイルスの基礎知識

ノロウイルスの予防対策

ノロウイルスには今のところワクチンがありません。予防接種はできないので、以下の予防対策を行いましょう。

手洗いの徹底

石けんにはウイルスを不活化する力はありませんが、十分な手洗いによってウイルスをかなり減らすことができます。

石けんは、液体石けんが推奨されます。

手洗いをする時

・帰宅時
・調理の前
・食事の前
・トイレの後
・下痢や嘔吐等の患者の汚物処理やオムツ交換等を行った後

手洗いの方法


 
・(準備)爪は短く切る。指輪、時計等は外す。
・流水でまず洗う。
・石けんを十分泡立てて、手のひら、手の甲、指、指の間、親指の付け根、指先、爪、手首などをよくこすって洗う。
・流水でよくすすぐ。
・清潔なタオルまたはペーパータオルでよく拭く(共用のタオルなどはだめ)。
・2回洗えば、ウイルス除去効果がより高い。

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食品は十分加熱する

ノロウイルスは熱に弱いです。食品は十分加熱して食べましょう。加熱の目安は、食品の中心部が85℃~90℃で90秒以上が推奨されています。

特に小さなお子さんや高齢者は感染を防ぐために、カキなどの生食は避けた方が無難です。

塩素系消毒剤(次亜塩素酸ナトリウム液)を用いた消毒

詳しくは次章をご参照ください。

ノロウイルス 予防のための消毒方法

ノロウイルスの感染防止のための消毒の方法です。

ノロウイルスはエンベロープ(脂質からなる二重膜)をもたないため、エタノールによって不活化されません(それでも手指のアルコール消毒等はした方がよいですが)。ノロウイルスには塩素系の消毒剤(ピューラックス、ミルトンなど)や家庭用漂白剤(ハイター、ブリーチなど)を使用しないと効果的な消毒はできません。塩素系(次亜塩素酸ナトリウム等)の消毒剤を使いましょう。

調理器具等の消毒

調理器具等は洗剤などを使用し十分に洗浄した後、ハイターなどで浸すように拭きます。
まな板、包丁、へら、食器、ふきん、タオル等は熱湯(85℃以上)で1分以上の加熱が有効です。

特に貝類を調理したまな板や包丁はすぐに熱湯消毒をします。

患者の便やおう吐物の処理と消毒

患者の便やおう吐物には多量のノロウイルスが含まれているので、家族に二次感染させないために、処理と消毒消毒は非常に重要です。

(1)処理する人は一人にします

便やおう吐物を処理する人は一人に限り、ほかの方は近づかないでください(少なくとも3m以上は離れる)。処理のときに飛沫が発生し、それを吸い込まないためです。

(2)手袋、マスクをして処理する。

マスクをし、感染した人の便やおう吐物には、直接触れないように、手袋をして、キッチンペーパー、タオル、雑巾などでしっかり拭き取ります。眼鏡をしていない場合にはゴーフルの着用も勧められています。

(3)拭き取った汚染物の処理

拭き取りに使用したキッチンペーパーやタオル、雑巾等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。

(4)汚れた衣類の処理

おう吐物や下痢便で汚れた衣類は、少しゆすいだだけで洗濯機に入れるようなことは厳禁です。いきなり洗うと、洗濯槽がノロウイルスで汚染されてしまい、他の衣類にもウイルスが付着してしまいます。

手袋とマスクをして、汚れた衣類をバケツやたらいなどでまず水洗いします。さらに塩素系消毒剤(200ppm以上)で消毒してください(つけ置き洗い)。

衣服や物品、おう吐物を洗い流した場所(洗面所、トイレ、風呂場、バケツ、たらい等)も次亜塩素酸系消毒剤(濃度は200ppm以上、家庭用漂白剤の場合は約200倍程度に薄めて)を使用して消毒しましょう。

(5)床等の消毒

おう吐物や下痢便のあった場所を、うすめた塩素系消毒剤(200 ppm以上:家庭用漂白剤では200倍程度)で広めに消毒します。

また、便やおう吐物を処理した場合、ドアノブ、床、壁など家のあらゆるところはできるだけ塩素系消毒剤にて消毒しましょう。塩素に弱い素材の場合などは、熱湯消毒でもよいです。カーペットや畳ならスチームモップが便利です。

(6)トイレの消毒

便やおう吐物を処理した場合はもちろんのこと、日常的にも次のことを行いましょう。

●便座や便器等の消毒(塩素系消毒剤にて)

●排便の後、トイレのフタを閉めてから水を流す(ウイルスの空気中への飛散防止)。トイレのフタはいつも閉めておく。

(7)消毒後の十分な手洗いとうがい

便やおう吐物の処理後や消毒後には、必ず石けんで手首まで十分に洗いましょう。二度洗いするとより効果的です。うがいもしましょう。

※注意:次亜塩素酸系消毒剤が効果があるといって、手指の消毒には使ってはいけません。消毒剤の希釈や使用の際は手袋を使用してください。

まとめ

ノロウイルスは感染力が非常に強く、またごく小さいため、除去が困難なウイルスです。ウイルスに感染する前から日常的に、手洗いやうがい、トイレの清掃などを励行し、ノロウイルスだけでなく他のウイルス感染も予防しましょう。

もし家族がノロウイルスに感染してしまったら、他の家族に二次感染させないように、速やかに適切に消毒等を行いましょう。

ノロウイルスの感染をできるだけ予防して、今年の冬も健康にすごしたいものですね。

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